「痛み」に関する治療

原因がわからない痛みとウイルス

いわゆる神経痛といわれるものは、原因が分からないことがよくあります。
後頭部の痛み(大後頭神経痛)、三叉神経痛、歯科治療後に残る痛み、肋間神経痛、腕の痛み、足の痛み、坐骨神経痛などなど。特に歯科治療のあとは、調べても全く異常が認められないのに痛みだけが持続し、歯医者さんも患者さんも困っています。
これらの「痛み」の原因として「ウイルス」が関与していることがよくあります。

神経にすみついている「ウイルス」が増殖、活動をまして「痛み」が増強します。
かなり強い「痛み」もあり、多くの方は鎮痛剤を断続して飲んでいますが、鎮痛剤が効きにくい場合もあります。これは検査では分かりにくく、「ウイルス」を抑える作用のものを飲んで「痛み」が取れるかどうかで判断します。効果がある場合は数週間で効きます。年数がたって慢性の「痛み」の場合には心因的な要素も加わるので、漢方薬やハーブ、抗うつ剤を併用することもあります。副作用が少なく、
原因のわからない痛みにはぜひ試してみるべき治療です。

慢性腰痛には骨盤矯正と血流改善が必要です

慢性の腰痛の原因となる病名はいろいろあります。
ヘルニア、変形性腰椎症、脊柱管狭窄、骨粗しょう症などですが、これらはレントゲンやMRIで診断します。ですが、ここで強調したいのは慢性腰痛の原因のほとんどは、骨盤の骨のズレと、筋力の低下・運動不足からくる血流の悪化が関係しています。診断名はいろいろあっても、根本は「血流障害」によるものです。そして、そのもとには「骨盤のズレ」が多く認められます。レントゲンの診断と症状の重症度が一致しないことは、よく経験することです。

「統合医療」では、「レーザー療法」や「神経ブロック」を行ったり、「漢方薬」を処方したりしますが、これは腰部の筋肉の血流を増加させることが一番の目的です。そして、骨盤のズレを矯正し、血流をよくする「運動療法」が不可欠だと考えます。

「症状」は改善します。諦めないで下さい。

「ひざの痛み」の80%は「自分で治せる」


これは、某医学部の整形外科教授の言葉ですが、そこでの治療の基本は、ひざのストレッチです。なぜこれだけのことで、ひざの「痛み」がとれるのでしょうか?ひざの障害は若い人ではスポーツ障害のような使いすぎによる「痛み」が多く、中高年では変形性膝関節症、いわゆる老化による「痛み」が圧倒的に多くなります。いずれにしろ、ひざの「痛み」は、0期、1期、2期、3期の四つの時期に分けることが出来ます。

0期は、関節軟骨がすりへっていない状態で、関節の使いすぎによるひざ関節の周囲にある腱やスジの痛みがほとんどです。

1期は、急性の炎症によるものです。これはすりきれた関節軟骨が刺激となって引き起こされる、関節の中の「痛み」です。関節が腫れたり、熱をもったり、水がたまったりします。

2期は、慢性炎症期です。急性の炎症が治まったあとに、関節包が線維化という現症で硬くなります。「痛み」の正体は関節の中でなく、主に関節周囲の袋や腱、筋肉に起こる「痛み」です。

3期は、骨の「痛み」です。この時期は関節軟骨がすり減ってしまい、骨と骨のすき間は極端に狭くなっています。「痛み」は鈍痛ですが、かなりつらいものです。歩けないことはありませんが、長くあるけば歩くほど「痛み」が強くなります。

この0期から3期は、時間とともに進んでいくというわけではありません。「慢性期」でも、急性炎症が起こります。ひざのストレッチが最も効果的なのは、0期と2期です。1期の急性炎症の時期は長くはありません。このときは炎症を抑える薬を使います。ストレッチには、ひざの表と裏を伸ばす「基本ストレッチ」と、痛んでいる腱やスジを伸ばす「局所ストレッチ」があります。

まずは、自分の「痛み」が何期なのかを知ることが重要です。

それと「痛み」の部位により、「基本ストレッチ」と「局所ストレッチ」を組み合わせて行います。

自分でストレッチの方法を覚え、毎日続けることが必要です。

この方法を考案した前述の教授は、変形性膝関節症の95%は手術が必要ないと述べています。